Report2017
基金運営委員会より基金報告
難民支援協会からの報告
平野委員長からの報告
柊運営委員からの報告


Report
NPO法人 難民支援協会(JAR)からの報告

 犬養道子基金のご支援により、計40名の難民に合計760,041円の医療費を支援  頼る人もおらず来日後ホームレス状態に陥ってしまう難民からは、難民支援協会に辿り着くまでに体調を崩し、 医療機関での受診を希望する相談が絶えません。来日直後の難民は、国民健康保険に加入することができないことに加え、 日本語でのコミュニケーションが難しいことが医療に繋がる上でハードルになっています。

 また、長きに渡る難民認定申請の期間中に慢性疾患を発症するケースも多く、症状も頭痛、歯痛、腹痛、うつ病や重い感染症と多岐に渡ります。 来日年数が長くなり在留資格を失った難民は、医療機関を受診したくても経済的理由により受診ができない状況が続き、 症状が悪化しているケースが少なくありません。

 来日10年以上になる東部アフリカ出身のMさんは、重い感染症を患っており、 継続した薬の投与が必要です。しかしながら、高額な医療費を負担することができず、 犬養道子基金のご支援で治療を受けることができています。中部アフリカから来日したFさんは、 難民支援協会にたどり着いた時には、所持金を使い果たしており、ホームレス生活を余儀なくされました。 公園等で夜を明かす日々が続き、食事も弊会で限られた種類のものを摂る日々が続きました。

 そのような状況が続いたことで痔を患い、強い痛みを訴え弊会に幾度となく相談にいらっしゃいました。 幸い、犬養道子基金からのご支援で、Fさんに合った薬を継続して購入することができ、 症状が緩和され大変喜んでいらっしゃいました。現在は、住居も見つかり表情も随分明るくなりました。

 Fさんの他にも、複数の難民がホームレス生活により体調を崩し、症状を緩和するために犬養基金から彼らの薬代に利用させて頂きました。 中には、公的機関からの保護費を受けながら生活されている方もいらっしゃいますが、 限られた生活費の中から医療費を工面することができず、犬養道子基金から医療費を支援することもあります。

 このように、医療機関に繋がることができない難民に対し、犬養道子基金からの温かいご支援をいただき、 弊会が計40名の難民に合計760,041円の医療費を支援することができました。
 皆様からの温かいご支援を現場で大切に活用させて頂いております。心より感謝申し上げます。

Report
難民に対する支援事業のご報告

 2017年は、シリアや南スーダンなどで紛争が継続し、ミャンマーではロヒンギャの人々が数多く避難する事態に発展しました。 多くの人が住み慣れた故郷を追われ、各国で難民申請者数が増加しました。 法務省によると2017年1〜6月期に日本で難民認定申請をした人は8,561人と過去最多を更新し、 前年同期の5,011人から1.7倍の増加となりました。しかしながら、日本の難民認定は引き続き厳しく、 今年6月末までの認定数は わずか3人に留まっています。

 ほとんどの申請者が認定されない中、難民は母国に帰ることができないまま不安定な生活を余儀なくされています。 2015年には新しい運用が開始され、難民申請を複数回行っている場合には、在留資格や就労許可の延長を認めない、 場合によっては収容を行うようになりました。
更に追い打ちをかけるように、最近では難民申請者の就労について法務省による取り締まり強化の動きもあり、 本来、自立できるはずの人まで、制度の締め付けによって自力で生きていくことが難しくなるのではと、強く懸念しています。

 難民支援協会では、現在6,000名近くの難民が支援対象者として登録されています。支援対象者の出身国はその時の世界情勢とリンクしており、 様々な国の方から相談を受けています。ここ数年アフリカからの相談者が多く、2017年9月以降は、カメルーンから逃れてくる人が増えています。
日本で報道されることはほとんどありませんが、カメルーン南部の旧イギリス植民地の活動家に対する弾圧が激化しているためです。 また、単身女性の難民も増えており、弊会の短期宿泊施設は常にいっぱいの状態です。宿泊施設に入れない女性については、 宿泊施設が空くまで、弊会近くのインターネットカフェやホステルでの滞在を余儀なくされています。

 難民支援協会では、2016年7月〜2017年6月までの1年間で723名に対して4,367件の支援を提供しました。 月平均261件の事務所相談に加え、電話相談も日々数十件と、支援の限界を超えるような事態が続いています。

 私たちは、年々厳しくなる緊急現場において、皆様から頂いたご支援を貴重な財源として使わせて頂いております。 今後も日本に逃れてきた難民を支え続けるため、活動していく所存です。引き続き、温かいご支援をよろしくお願い致します。

認定NPO 法人 難民支援協会 代表理事 石川えり

■【JAR団体概要】
正式名称:特定非営利活動法人 難民支援協会
英語名:Japan Association Refugees(難民支援協会JAR)
所在地:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-7-10 第三鹿倉ビル6階
代表理事:石川えり
設 立:1999年7月17日
認定NPO法人取得:2014年12月18日(東京都)
 ※初回は2008年5月1日に国税庁より認定

 


(C) Michiko Inukai Foundation